過活動膀胱はどうやって治療するの?

どんな検査が必要?

治療のためには、まず原因となる病気が何であるかを特定するための検査が必要になります。
検査のほとんどは、痛みなどの苦痛がないか少ないものなので、安心して、しっかりと受けるようにしてください。

ここでは、その代表的な検査について紹介します。

問診・過活動膀胱症状質問票(OABSS)・排尿記録

問診

まず、基本的な診察として問診が行われます。いくつか医師から質問をし、受診するきっかけとなった症状などの確認を行います。
問診にはいくつか決まった質問があり、代表的な質問には以下のようなものがあります。

  • 受診するきっかけとなった、いま最も悩んでいる症状
  • その症状が、いつごろから発生し、今までどのような変化があったか
  • 既往歴や現在治療中の病気の有無
  • 現在定期的に服用している薬剤とその効果
  • 親戚などの血縁者がかかり、治療を受けたことのある病気とその治療経過
過活動膀胱症状質問票(OABSS)

症状が起こる頻度から、過活動膀胱の診断や重症度を評価するために使用します。自分でもチェックすることができますので、チェックしてみましょう。(⇒OABSS

排尿記録

「排尿記録」は、自分が排尿のたびに時刻や量を記録するものです。
過活動膀胱では排尿回数が増え、1回の排尿量が減少します。毎日の記録によって自分の排尿回数や排尿量を把握することで、重症度などがある程度わかります。診断や治療方針の決定にも使用されます。

「排尿記録」の代表的な項目には以下のようなものがあります。

  • 排尿回数
  • 尿失禁回数
  • 1回排尿量(機能的膀胱容量)
  • 総排尿量

尿検査・血液検査・エコー検査

尿検査

尿検査は、ほかの診療科での診療や健康診断などでも行われる、一般的な検査です。
排尿トラブルの原因となる「尿路結石」や「尿路の感染症/炎症」などを発見することができます。

血液検査

血液検査は、ほかの診療科での診療や健康診断などでも行われる、一般的な検査です。
血液を採取してその成分を調べることで、現在の身体の状態を判断することができます。

エコー検査

おなかや背中に超音波の出る機械をあてて、体内の臓器の様子を画像で見る検査です。
腎臓・膀胱の形や状態に異常がないかなどを調べます。

エコー検査のイラスト画像

尿の出方、残尿を調べる検査

尿流動態検査

排尿障害があると、尿の出方に変化が生じます。
この検査では専用の検査機器を使い、排尿時の尿の量や膀胱にかかる圧力などを調べます。
尿を出した時の勢いの変化や、出し切るまでの時間などをはかる「尿流測定」、膀胱の尿を蓄える機能をはかる「膀胱内圧測定」、安静時に尿道が正しく閉まっているかを確認する「尿道内圧測定」などがあります。
尿もれの正確な診断、膀胱機能の障害の評価で重要な検査になります。

尿流動態検査のイラスト画像

残尿測定検査

排尿した直後に膀胱内に残っている尿を「残尿」といいます。
この検査では、残尿の量をはかることで、排尿障害の症状の程度を評価します。
いくつかの方法がありますが、エコーで膀胱内を観察して計測する方法が主流になっています。

残尿測定検査のイラスト画像

その他の検査

そのほかにも、過活動膀胱以外の病気が原因となっていないかを確認したり、治療を行うにあたってさらに詳しい状態を確認したりするために、別の検査を実施する場合があります。

正確な検査による診断が、適切な治療の第一歩になりますので、医師の指示のもとしっかりと検査を受けるようにしましょう。

常にすべての検査を行うわけではありません。医師の指示に従ってください。